言葉と伝え方

何屋かわからない人には仕事を頼めない

広告・宣伝に「検索すればわかる」は通用しない

意味のわからない「肩書き」「職種名」「社名」を名乗っている人が多い。さらに、意味がわからないことを遠回しに伝えると、「検索すればわかるから」とさえいう人もいる。

確かに、「検索すればわかるから」と言いたい気持ちはよくわかる。今の環境は昔と違い、パソコンも携帯もあり、ネットさえ繋がっていれば、すぐに調べられる環境だ。

だが、例外もある。宣伝・広告における話だ。宣伝・広告内の意味不明な肩書き・職種名・社名などは、検索してもらえないのだ。

ただでさえ興味もない広告で、意味のわからない肩書き・職種名・社名などが出てきたら見る気も無くなるだろう。

よほどインパクトがあって、爆笑してつっこみたくなるような肩書き・職種名・社名であれば、話題性もあって調べる人もいるかもしれないが、そういうことは滅多にない。

そのため、基本的に意味のわからない「肩書き」「職種名」「社名」にして、メリットはほぼないどころか、デメリットしかないと言ってよいだろう。

意味のわからない肩書きに「検索する価値」はある?

造語の肩書きが悪いという意味ではない。一発で意味がわかるのであれば良いだろう。だが、どれだけ考えても意味がわからない肩書きならば、ない方がマシだ。

集客コンサルを頼まれた時に、意味のわからない肩書きに遭遇すると、「一般人には馴染みがないと思いますし、あなたのターゲットでさえ理解できないから、その肩書きはやめた方がいいですよ」とやんわり伝えるようにしている。

だが「検索すればすぐわかります!」とか「知っている人は知っています!」言う人がいるのも事実。そうなのだろうけれども、一体どのくらいの人が知っていて、わざわざ検索してくれるのだろうか。考えてみるとデメリットの方が多いだろう。

「検索しよう」「調べよう」「誰かに聞こう」と思う時は、あくまでその言葉を「知りたい」と思った時だ。ましてや、大して興味のない宣伝・広告内の言葉なんてわざわざ調べるわけがない。

「調べたい」と思うほどの興味・関心・価値を感じなければ「わからないし、私には関係ない」でおしまいだ。

もし、ターゲットを専門家に絞っているのならば一般人は馴染みのない肩書きでも、専門家はわかるものなのであれば問題ない。専門業者向けの宣伝・広告ならば専門用語を多用しても問題ないのと同じだ。

しかし、一般人向けの宣伝・広告ならば一般人がわかるようにしなければならない。意味が分からなければ、一般人は購入しないはず。よほど興味がなければ、わざわざ調べないのだ。

同様に、一般人をお客様としたいのに、一般人に理解されない肩書きを名乗って意味があるとでも思っているのだろうか。

意味不明な肩書き・職種名・社名を名乗られたところでわざわざ調べない。

もし、対面で名刺交換した場合は、「どのようなお仕事なんですか?」と聞いてくれることもあるだろう。

しかし、その時間は無駄な時間だ。もしかすると、より詳細な話ができたかもしれない時間なのに、相手の頭の中には「何この肩書き!?」とクエッションマークでいっぱいなのだ。

それに、名乗るシーンが対面ではないネット・紙面・広告・名刺などであれば特にまずい。「検索すればわかりますよ」「知っている人は知っています」などと言う人がいる。

しかし、あなたの意味不明な肩書き・職種名・社名は「調べる価値はあるのか?」と言う話だ。

社名や屋号ならば多少意味不明でも仕方がないかもしれない。オススメはしないが、それを全面に出さないのであればまだ良いだろう。

だが、肩書き・職種名に関しては「知らない」と思われた時点でその後はない。

その所属する会社やら協会の縛りでその名称を名乗らなければならないなど言う縛りもあるのかもしれない。

その場合は、それを補足するべきキャッチコピー(フレーズ)だの、画像だのを入れる必要がある。

「何ができて何をしてくれる人」かわからないと、仕事の依頼は来ない

「どんな仕事をしている人なのか」伝わらなければ、仕事には絶対繋がらない。

あなたの名刺やブログ、ホームページなどを見た人が、「この人、こんな仕事しているのか!まさに困っていたから頼みたいなー」と思うのは、あなたがどういう仕事をしている人なのか伝わったからこそ成り立つわけだ。

例えば、『ハイパーメディアクリエイター』と聞いて、どのくらいの人が一発でわかるのだろうか?

確かになんとなく「ハイパーだから何かすごい人で、メディアだからテレビとかネット?で、クリエイターだから作る人?」くらいには想像はできる。しかし、全く具体的ではない。

具体的にイメージできない肩書き・職種名ではないと「何をしてくれる人」なのかわからないので仕事を頼めない。

ただし、どうしてもアーティスト寄りの仕事で具体的に伝えられないのであれば、写真やら動画で伝えるのがベストだろう。無理に言葉だけで表現しようとすると意味がわからなくなる。それこそ〇〇アーティストでも良いはずだ。

また、「〇〇ができる人」だと絞れない人はいくつも名乗れば良い。1個に絞らなければならない理由などない。

わかりづらい肩書き・職種名には、キャッチフレーズをつけよう

私自身も、セールスコピーライターやら、集客コンサルタントやらと名乗っている。何となく集客に詳しいコンサルタントで、セールスのためのコピーライターだろうと想像できるかもしれない。

これは私の造語ではないとはいえ、「セールスコピーライター」と聞いてピンとこない人も多いだろう。コピーライターは知っている人が多いのでまだわかると思うのだが、セールス、つまり売るためのコピーを書く人とはピンとこないかもしれない。

(「そうだ、京都行こう。」などは、売るための『セールスコピー』ではなく、印象を良くする『イメージコピー』だ。)

そのため、私はキャッチコピー(フレーズ)と屋号で、『あなたの宣伝部長』と名乗っている。「私の代わりに、宣伝してくれる人なんだ」とはわかってもらえると思う。

実際に、コンサルティングするだけとか、セールスコピーや文章を書かずに宣伝することもあるので、総じて宣伝部長だ。(イベントの呼び込み方のアドバイスや集客できる画像・写真の撮り方アドバイス、テレアポのアドバイスやスクリプト作成などもすることもある。)

相手に通じなさそうな肩書き・職種名はやめた方が良い。だが、なんらかの理由で名乗る必要がある場合は、キャッチコピー(フレーズ)などを使って補足することをオススメする。

「なんかかっこいい」という理由で意味不明な肩書きにすると大損する

もし肩書きで迷ったら、英語や英語由来のカタカナではなく、漢字などにした方が賢明だ。

肩書きや職種名は英語・カタカナよりも日本語・漢字の方が一瞬で理解されやすい。

確かに、英語・カタカナでなければ通じないものもある。しかし、もし可能であれば、日本語・漢字の方が通じるだろう。

「NYでは流行っているの♡最先端よ!知らないの?」とドヤ顔で語り、日本人に馴染みのない肩書きを名乗っても残念ながらここは日本だ。

「なんですかその職種?」と聞かれて「えー?知らないのー?NYでは常識よ!!」とマウンティングしているつもりかもしれないが、損しているだけだということに気がついていないのだろう。

もし、日本の一般人は相手にせず、ニューヨークの人だけを相手にするとか、意味不明な肩書きを知っている人だけを相手にすると決めているのならばそれはよかろう。ある意味、足切りだ。

それに、お客様を増やしたいとは思っておらず、かなり限られた人だけをお客様とするならば専門業者宛の広告で、専門用語を使うのと同じなので、理解はできる。

しかし、日本で仕事して、一般的な日本人を相手にし、商売するからには「なんとなくかっこいいから」とかそんな理由で意味不明な肩書きや職種名を名乗るべきではない。

ちなみにそのNYを語っていた人の話は実際の話なのだが、よく「◯◯とは?」と検索されていた。結局、伝わっていないのだ。

まだ検索してくれる人は親切だ。だが、一般的はスルーしかない。そして記憶にも残らない。

「何それ?」と思われるような肩書き・職種名を名乗るのは『損』で『ハンデ』なのである。

これといった事情もないのに「最先端でかっこいいから♡」と自己満で意味不明な肩書き・職種名を名乗るのは、自分の首を締めるだけだ。そんな謎の自己満や見栄は捨てた方が良い。

もし「この肩書き通じるかな?」などと心配になったら、周りに人に聞いてみよう。特に、あなたの商品ターゲットに近い人に。それによって、考えるのが1番良いだろう。

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アニータ江口
広告制作・記事執筆し、反応率を45.5倍にした人。趣味は街歩き食べ歩き。特技は屁理屈。好きなものは地歴・動物・昭和レトロ。2018年5月、旧ブログから当サイトに引っ越し。うまいもの食べてうまいこと言いたい。