長期休暇になると、話題になる『読書感想文』。小学生や中学生、学校にもよるが、高校生にでもあるこの宿題。頭を悩ますお子さんや親御さんも多いことだろう。
「読書感想文の書き方」といった参考書を買ってみても、そもそもその参考書を読むのが嫌だったり、
というお子さんもいることだろう。
そこで、今回、感想が思いつかない子でも簡単に書ける『読書感想文』裏技3つの書き方をお伝えしようと思う。
読書鑑賞文に手を焼いている学生さんや親御さんにはぜひご覧いただきたい。
Contents
感想が思いつかない子でも簡単!『読書感想文』裏技3つの書き方
(1)登場人物宛に手紙を書く
この1つめの書き方は、小学校低学年のお子さんにあう書き方だ。(ただし、物語にしか使えない。)
主人公だとか、気になる登場人物宛に手紙を書いていく。これならば、これといった感想がなくても書ける。ほぼ想像の世界だ。
それに、文章を書きなれていない子どもでも、手紙ならば書きやすい。『です・ます』調だとか、『だ・である』調だとかいちいち気にしなくて良い。
手紙なのだから、書き方も内容も自由だ。読んでいる先生だって「これは手紙なんだ」と思って微笑ましく思い、ある程度は目を瞑ってくれるだろう。
それに、本やストーリーに対して感想を思いつかなくても、特定の登場人物に対しては何かしら感想があるかもしれない。感想がなくても、気になったことや、わからなかったことでも良い。登場人物に「どうして?」と聞けば良いのだ。
〇〇ちゃんは、なんで□□の時、〜しようと思ったの?私だったら△△すると思うんだ。だから〇〇ちゃんは××だなと思ったよ。
こんな風に聞いてしまえばいい。わからないものはわからない。
私はこう思ったんだけど〇〇ちゃんはどうかな?
と書いておけば立派な読書“感想”文だ。先生も文句も言わないだろう。
それに、どの場面の登場人物に手紙を書いても良い。「これから試合の〇〇ちゃんへ」とかいう書き出しにすれば、読み手の先生も理解できる。
更にいえば、主人公を讃えたり励ましたりする手紙でなくても、悪役にあてた手紙でも良い。鬼や魔女に更生しろと迫ってもあなたの気持ちも少しはわかると書いても良いのだ。手紙なのだから自由なのだ。
もし、
とお子さんが悩んでいたら、
と促すのも良いだろう。
おそらく、手紙のような書き方ならば、低学年の子でも書きやすいし、書き出しに悩むこともない。
(2)本の続きを書く
この2つめの書き方は、想像力豊かな小学生には相性が良い。
また、中高生の場合は、先生次第にもなるが大絶賛される書き方だ。(ただし、物語にしか使えない。)
この書き方、物語の続きを勝手に書いてしまうのだ。
これもまた、続きを書くのだからあくまで想像であり、正解も不正解もなく何を書いても自由だ。
初めの書き出し100文字くらいで、
とても面白かったです。特に〇〇の場面ではハラハラしてしまいました。しかし、続きがとても気になります。だから、私なりに続きを書いていきたいと思います。
といったほんの少しの感想と前置きを書いた上で、段落変えて続きを書き始めてしまえばさほど違和感もない。冒頭部分で感想文を書いてしまっているのだから、先生も文句は言えないだろう。
それに、その後の物語を書けるということは、たとえ奇想天外で万人受けしないストーリーになったとしても一種の才能だ。
想像・創造することや自由作文は好きだが、強制された読書感想文は嫌いで気乗りしない子にはオススメしたい手法だ。
たとえ感想文らしさはあまりなかったとしても、その子らしさが開花するだろうし、一目置かれることにもなる。それが、その子の自信にも繋がるかもしれない。
今読んでいるあなたが学生さんならば、新しい趣味・特技を見つけられるかもしれない。
(3)自分語りの持論を展開する
この3つめの書き方は、小学生から高校生くらいまで使える書き方だ。
それに、物語以外でも使える書き方である。
感想が思いつかないならば、仕方がない。これは、話や登場人物に、ほんの少しでも近い自分の話を差し込み、当時の自分の感想を書いて照らし合わせてしまう書き方である。
例えば、
私にも似たような経験があります。それは私が△才の時の話です。
私も〇〇さんと同じ状況だったので、つい□□と言ってしまったのです。
〇〇さんはどのように思ったのかは本に書いていなかったので本当のところはわかりません。
ですが、私はその時××と思ったのでもしかすると〇〇さんも同じように思ったのかもしれないと感じました。だからあのような行動をしたのでしょう。
「〇〇さんは□□と言っていましたが・・・」と言った具合に、自分の経験や出来事を入れ込んでしまうのだ。
例を見ていただければわかると思うのが、よく読むと、本の感想なんて一切書いていない。当事者の感想は否定しようもないし、これまた登場人物との照らし合わせも想像だから自由だ。
しかし、なぜか物凄く考えて書いた人の作文に見えるという不思議。評論文に対しての感想文ではよくある手法だ。
また、内容や登場人物に対して、反論するのもありだろう。
内容によっては先生に白い目で見られるかもしれないが、
〇〇さんは□□と言っていて、みんなはほめていましたが、私はおかしいと思います。ほめられる理由がわかりません。
私だったら△△と思うので、絶対に□□とは言わないと思います。
と言ったように持論を展開するのもありだ。
可愛げがないだとか思われるかもしれないが、勝手に思わせておけば良い。
お子さんに対して
と聞いて
と返ってきたら、否定せずにそのまま書くことを促すのも良いだろう。
共感の気持ちは書きにくいし、すでに書かれていることに賛同するから他の感想を思いつきにくい。「私もそう思います」で終わってしまうからだ。
しかし、反論ならばすでに書かれたことの逆の持論になる上に自分の意見になるのでかぶることなく書きやすい。
違うと思えば思うほど、反論する理由も思いつくからだ。とは言え、もちろん、わざわざ反対意見を言う必要もない。
もし、
と言ったようなことがあればぜひその持論を展開していくことをオススメする。
お子さんがそう言っているのであれば斬新な発想を潰すのではなく、
と促してあげると書きやすくなると思う。
もし、今この記事を読んでいる方が学生さんご本人ならば、自分に「なぜそう思うのか?」と問いかけていくとスラスラ書けることだろう。
補足:「読書感想文」が苦手な子どもは悪くない!
読書感想文を書けなくても叱らないでほしい
改めてお伝えしておくが、この書き方は王道ではない。
だが、王道の書き方を教えられたところで書けない人は書けない。これは子どもに限らない。大人もだ。特に物語に対して感想を書けと言われた時は尚更だ。
読書感想文をなかなか書けない人は、文章を書くことや国語が苦手なのではない。強いて言えば、学校が求めている道徳が苦手だとも言えよう。
『ごんぎつね』の読書感想文で「自業自得だ」と書くと、親が呼び出すような学校もある。もしそういう学校に通っているのだとしたら辛いだろう。
子どもながらにも「求められているもの」を感じ取り、仕方なく書いている子どもも少なからずいると思う。お父さんやお母さんや先生に褒めてもらえると感じ、苦しみながら書いている子もいるだろう。
だから、理想的な読書感想文を書けないからと言って、叱らないでいただきたい。また、学生さんは自分自身を責めないでいただきたい。
良い本でも「読書感想文」には向かない本もある
そもそも、学校指定の読書感想文用の本のチョイスが悪い可能性がある。その本自体は良い本でも、感想文に適さないものがある。
また人によって書きやすい書きにくいものがある。それに、「だから何?」と思うものもあるし、「なんか面白かった」で終わってしまうものもある。その「なんか面白かった」を掘り下げるのが王道の書き方ではあるのだがそれができれば苦労しない。
それに本当に面白ければ、もしくは、救いようもなくつまらなければ、何かしら書けるかもしれないが、大して面白くもつまらなくもない微妙な本に対して「感想を書け」と言われたら、大人だって困惑するだろう。
感動や元気や同情の押し売りや「可哀想でした」と書けと言っているかのような本を指定された場合は、本当はそうは思わなくても「はいはい、こういうこと書けば正解なんでしょ?」と割り切って書ける子もいるかもしれない。
しかし、割り切れない子も意図を理解できない子もいるだろうし、そもそも押し付けること自体が感想文ではない。
それに、低学年の子に読後の感想を聞いてみて「疲れた」だとしたら本当に「疲れた」だけで、それ以外ない可能性もある。読書後の感想が「疲れた」以外に何もなければ、他の感想を引き出しようもないし、後付けで感想を作るしかない。
宿題を早く終わらせたい場合は、書きやすい本を選ぶ
とはいえ、宿題なのだからそれなりのことを書くしかない。
読書が好きならば指定図書を全て読み、書きやすいものに取り掛かるのがベストである。とはいえ、読書が苦手ならば、先にジャンルだけ把握して選ぶのが手だ。目次があればパパッと読みのも良い。
実際に私は、高校時代の読書感想文で『こころ』か『もの食う人々』のどちらかを選ばされたのだが、自分は恋愛小説で感想を書けっこないと判断して、評論文の『もの食う人々』を選んだ。
「自分が好きな本」を選ぶのも良いことだが、すぐに宿題を早く終わらせたい場合、「自分が書きやすい本」を選ぶのも手だ。
なお、とても好きな本で感想を書きたいけど、なかなか書きづらい本の場合は、わざわざ学校の感想文のために書かなくても良い。
書いてみて発表したくなったら中高生ならばアマゾンのレビューだとかSNSやらブログにでも書き込めば良い。小学生ならば親御さんにそれらに掲載してもらえば良い。また、作者宛に送れば喜んでもらえることだろう。
それにいくら好きな本であっても感想を言い表せないものもある。わざわざ書かずとも心の中にしまっておいても良いと思う。
この書き方でも入賞は狙える
宿題の読書感想文は、その夏休みの間だけで、決められた本についてしか書いてはいけない。それに、枚数や文字数までも決められていることもある。
この様々な決まりによって、書けなくなってしまっている子もいるはずだ。おそらく、宿題としての「読書感想文」は苦手でも、自分で好んで読んだ本の感想文ならばスラスラ書ける子もいるだろう。
なお、私も読書感想文は好きでなかった。作文は好きだったが、色々決まりがありすぎて嫌だったのだ。だから、今回紹介した裏技の書き方を思いつき、そんな書き方ばかりしていたのである。
とはいえ、入賞常連者でもあったので、裏技とはいえ問題のある書き方ではないと思う。また、塾講師で国語を教えていた際、読書感想文に手こずる生徒さんにこの裏技的な書き方を教えていた。実際、何とか書けるようになっていたので、この方法はそこまではずれていないはずだ。
なので、真似していただいてもそれなりには効果はあると思う。(ただし、異常な道徳大好き人間の先生には批判される可能性もあるのでご了承いただきたい。)
それに、思ってもいないことをしぶしぶ書いたり、自分の気持ちを押し殺して書くよりも、今回の方法で書いた方がのびのび自由に書けるだろう。もしそれで賞を取れたならば嬉しいはずだ。
そういうわけで今回、理不尽な思いをしながら書くしかならない子どもたちや、そんなお子さんに手を焼いている親御さんを応援すべく、感想が思いつかない子も簡単に書ける!『読書感想文』裏技3つの書き方をお伝えさせてもらった。
- 登場人物宛に手紙を書く
- 本の続きを書く
- 自分語りの持論を展開する
もし、この3つの読書感想文の書き方が、少しでも参考になったら嬉しい。