伝わる書き方・広告術

文章力を上げたい人は「上手い文章」よりも「読ませる文章」を目指そう

読んでもらえて、やっとスタートラインに立てる

コピーライターやらライターという仕事柄、文章の書き方について聞かれることがある。「どうやったら上手く書けますか?」と。

私がどうなのかはさておき、『上手さ』は二の次だと考えている。『上手さ』よりも大事なのは、『読んでもらえる』ことなのだ。

そもそも『文章が上手い』という表現は曖昧だ。好みの可能性もある。それに、読んでもらえない限り、上手さなんて判断できない。

だから、まずは『読んでもらえる』文章を書くこと。それが、スタートラインだ。

文章を書くのに慣れていない人は、まずは『読んでもらえる』文章を書くことをおすすめする。

読んでもらえる文章=わかりやすい文章

では、『読んでもらえる』文章を書くにはどうすれば良いのか?一番簡単な方法は、一文を短くすることだ。短くすれば、わかりやすくなる。

わかりやすい文章は、読み手に負担をかけない。すると結果的に、読み手は最後まで読んでくれるのだ。

では、例を見て欲しい。

(A)
明日、私はCちゃんと会う予定だが、まだ大阪から東京への新幹線の切符を買えていないために心配している。

(B)
明日、私はCちゃんに会う予定だ。Cちゃんは、大阪から東京へ来てくれるという。しかし、Cちゃんはまだ新幹線の切符を買えていない。Cちゃんに本当に会えるのか、私はとても心配している。

  • (A)は、1つの文で繋げている。
  • (B)は、4つの文に分けている。

より、わかりやすいのはどちらか?

答えは、(B)だ。

「主語」と「述語」をわかりやすくする

(A)の解釈

(A)も、一見おかしくない。
しかし、様々な解釈ができてしまうのだ。

(A)
明日、私はCちゃんと会う予定だが、まだ大阪から東京への新幹線の切符を買えていないために心配している。

上記を読むと、主語と述語がめちゃくちゃで、

  • 切符を買えていない人物は、なのかCちゃんなのか?
  • “私”と“Cちゃん”、どちらが東京にいて大阪にいるのか?
  • “誰”が、“何”に心配しているのか?

というように「?」がつく、わからないことばかりなのだ。

人は、読んでいるうちに「は?なにこれ?」と思うと、読むのをやめてしまう。

試験問題ならば嫌でも読むかもしれないが、これといって必要なければ読まないだろう。

ましてや、ブログや広告などであれば、絶対に読まない。「なにこれ?意味わかんないんだけど」でおしまいだ。

(B)の解釈

一方の(B)

(B)
明日、私はCちゃんに会う予定だ。Cちゃんは、大阪から東京へ来てくれるという。しかし、Cちゃんはまだ新幹線の切符を買えていない。Cちゃんに本当に会えるのか、私はとても心配している。

少しまどろっこしいが、これといって不明点はないはずだ。

文をそれぞれ分けることによって、

  • 私は〜だ。
  • Cちゃんは〜する。

と言った具合に、主語と述語を明確にしたのだ。

文章を長くすればするほど主語と述語が遠くなる。すると、意味がわかりづらくなる。

「私は〜で〜で〜だったから、Cちゃんは〜って言って、私は〜するようにしたの。」というような、長い文章では主語と述語が遠くなるのだ。

だが、一文を短くするだけで、主語と述語は近くなる。すると、必然的にわかりやすくなる。わかりやすくなると、読んでもらえるようになる。

だからこそ、一文を短くすることが、『読んでもらえる』文章の一歩なのだ。

「読ませる」文章のルール

一文を短くすること、これがポイントになるわけだが、具体的にどうしたら良いかわからないかもしれない。

ルールとしては、

  • 一文を短くする
  • 主語と述語は1つずつ
  • 修飾語や形容詞を多用しない
  • 1文は30字〜40字程度におさめること

この辺りを守れば、大概読みやすい文章になる。

どうしたら良いか分からない方はぜひ試していただきたい。

慣れてきたら応用として少し崩していっても良いだろう。

ちなみに、なぜ30字〜40字程度が良いのかというと、Yahooニュースタイトルの文字数がそのくらいだからだと聞く。

どうやらYahoo内で読まれやすい文字数を研究した結果、あの長さになったらしい。

「一文が長くてまどろっこしい書き方」は、創作物向け

こんなことを書いている私だが、本当は「一文が果てしなく長いまどろっこしい書き方」が好きだ。小説家で言えば、森見登美彦氏などが書く文章が物凄く好きである。

だが、そのような書き方は、小説などの創作物向きなのだ。

一文が果てしなく長いまどろっこしい書き方は、主語と述語の距離がどんどん離れていく。そのため、難易度が高い。

もし試したい人がいれば、Twitterの140文字を一文で書くことを試してほしい。(「。」は一度しか存在しない一文。)

やってみると意外と難しいことがわかるだろう。たとえ書けたとしても、例に挙げた(A)のような文章になっていないだろうか?

(A)
明日、私はCちゃんと会う予定だが、まだ大阪から東京への新幹線の切符を買えていないために心配している。

一気に一文で書き上げると、主語と述語がわからなくなりやすい。書いてみたら一度自分で読むことをオススメする。

確かにTwitterなどでも、バズっているツイートは、長い一文で140字埋めているものも多い。確かに流れるように読んでしまう。

そのツイートが、ノウハウ系や時事ネタではなく、面白ネタ系でバズったツイートの場合は特に、Twitter慣れしている「うまいことを言っている人」が書いている場合が多い。

だからこそ、そういう上手い人の真似はしない方が良い。彼らは何度も推敲した上で、書いていることが多いからだ。それに、掴みも構成も上手い。そんな上級者の真似をするのは難易度が高い。

まずは、上手い文章を書こうとするのではなく、まずは「読ませる」こと。そこを工夫するのが大事である。

「一文が果てしなく長いまどろっこしい書き方」は、ハイリスクなのであまりおすすめしない。

人は基本的に、読まない・信じない・行動しない

なお、広告文においてはさほど『文章の上手さ』は求められない。

創作物でもないので、小説家のようなセンスは必要ないのだ。(PARCOなどの詩的なイメージコピーは芸術的センスも必要になってくるが。)

どちらかといえば、広告における3つの壁=「よしこの壁」とも言われる、

  • 「よ」読まない
  • 「し」信じない
  • 「こ」行動しない

この3つの壁を突破する「書き方」をできるかどうかが、重要になってくる。

人は基本的に、読まないし、信じないし、行動しない。ましてや、広告・宣伝であれば尚更だ。

ここを突破しない限り、いくら小説家のような美しくて上手い文章が書けても読んでもらえない。だからこそ、広告文においても、『読んでもらえる』文章を書くことが求められる。

『読んでもらえる』文章を書く方法は多数あるが、一番簡単なのは、一文を短くすること。

ぜひお試しいただけると嬉しい。

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ABOUT ME
アニータ江口
広告制作・記事執筆し、反応率を45.5倍にした人。趣味は街歩き・食べ歩き。好きなものは地歴・動物・昭和レトロ。好きな言葉はコスパ。特技は屁理屈をこねること。2018年5月、旧ブログから当サイトに引っ越し。うまいもの食べてうまいこと言いたい。